ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

もものかんづめ(さくらももこ、2001)

もものかんづめ (集英社文庫)

 まさしく、伝説のエッセイ集!

 

わたしには10歳上の姉がいて「りぼん」を買っていたので、物心ついたときにはすでにさくらももこは身近にあった。

アニメのちびまるこちゃんも嫌いじゃないけど、さくらももこが描いた話とアニメ用に他人が作った話だと、面白さが全く違うんである。でも、幼いわたしはその違いが何から来るのかよく分からなかった。

 

そして、時が過ぎて登場したコジコジ。言わずと知れた、超絶かわいい奇天烈謎生命体である。

少しばかり成長していたわたしは、コジコジを読んですぐさま、さくらももこの天才的な才能がどこにあるのかハッキリ理解した。

 

言葉選びのセンスだ…!

 

そして、その才能はこのエッセイ集で炸裂している。目次を見ただけでうかがい知れるところがすごい。

 

油断していたわたしは、「メルヘン翁」を丸の内のカフェで読んでしまった。洒落乙なOLたちが跋扈するカフェの隅っこで、わたしはブっとコーヒーを吹き出しそうになった。人前で読むのはとっても危険な本である。

 

気分が良くないときにパッと読めるように持ち歩きたい。派手さはないけど、それくらいの威力がある名著である。

 

Good Will Hunting (Gus Van Sant, 1997)

グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち [Blu-ray]

良い映画でしたわぁ。登場人物がみんな人間臭くてたまらん…

 

トーリーとしては結構シンプル。天才的な頭脳をもちながら暴力的でうだつの上がらない青年ウィル(Matt Damon)が、深い孤独に苛まれている心理学者ショーン(Robin Williams)と出会って心を通わせ、さらに、親友のチャッキー(Ben Affleck)たちや支援者である著名な数学教授ランボー(Stellan Skarsgård)、そして恋人のスカイラー(Minnie Driver)との交流を通じて、人間的に成長し才能を開花させていく。

 

Mattハーバード大学在学中に書いた物語を土台に、親友のBenと共に数年かけて練り上げたストーリーだそう。実生活でも親友だとは知らなかった!

 

題材はそんなに目新しくないんだけど、ウィルだけじゃなくて、主要な登場人物の陽の部分と陰の部分が両方とも描かれているところが良かった。

やっぱりウィルが子ども時代に受けた心の傷はすごく深いんだけど、色んな人と知り合ってぶつかっていく中で、自分の傷を客観的に見られるようになっていく。ウィルに周囲の人がぶつける言葉は厳しい。でも、彼の将来を本気で考えてくれたり、本気で彼と分かり合いたいと思ってくれたりするから、ウィルの分厚い壁が崩れたんだろうと思う。

 

ショーンが言うように、自分が人を信じないと決めている限り、脳みそは信じない根拠ばかり探し出してしまう。信じなければ傷付くことはない。でも、ずっと人を信じずに生きていくなんて、そんなに味気ない人生は耐えられないよなぁ。ウィルのような境遇のまま苦しんでる子どもがたくさんいると思うと、ほんとにツラい…

 

心に刺さる名言がたくさん飛び出す、名作中の名作!何度も観たいなぁ。

 

誰にでもできる恋愛(村上龍、2000)

誰にでもできる恋愛

自分の思想に影響を与えた人はいますか?

 

思想なんていうと大袈裟かもしれないけど、物事に対する基本的なスタンスや考え方ってのは、今まで生きてきた環境やシステム、出会った映画や本なんかに大きく左右されると思う。特に、脳みそが柔らかい子どもの頃に受けた影響は大きい。

 

ちなみに私は、かなり早い段階で「威圧的なもの」に対する嫌悪感があった。それが小学5年生の時、男の体罰教師が担任になり、友達が暴力を受けるのを見たり、自分が叩かれたり、怒鳴られたり凄まれたり、半ば軍隊じみた行動を強いられてから、嫌悪の対象は「権力を振りかざす全てのもの」に拡大された。6年生に上がるときに彼は他校に転任させられたけど、1年間毎日感じていた抑圧と恐怖と憎悪は、11歳の子どもに十分な影響を与えた。

 

戦争や虐待はこの世で最も悍ましいものだし、暴力や暴言、罵声で人を従わせようとしたり優越感を味わおうとする類の人間は消えればいいと思っている。もちろんそういう人たちの言うことには、たとえ正しかったとして聞く耳をもてない。自然と耳が閉じてしまう。それが良いとか悪いとかは別にして、これが今まで生きてきて形成された私のスタンスの一部である。

 

村上龍は、既存の権力やシステムに対して疑問をもつことは悪いことではないと、勇気を与えてくれた人だ。

 

中学2年頃から反抗期が始まり、親や教師をはじめ、学校マスコミ政治まで、もはや大人が作り出すあらゆるものに嫌悪感を抱くようになってしまった。

それでも大人全員を憎むなんてことにならずに済んだのは、兄の本棚に並べられていた村上龍の本のおかげだと思う。「あぁ、こういうふうに考えている大人もいるんだ」と安堵したのを覚えている。威圧的な大人は常に感情的だけど、村上龍の著作は常にクールで安心できた。

 

と、こんな感じで、多感な時期に触れたものに関する話は長くなりますよね〜笑

 

この本は、実家にある兄の本棚を見ていたら目に付いた。高校生のときに読んだ記憶があるけど、そのときはそんなにピンと来なかったんだろうなぁ。

「自立していない人は恋愛をできない」という話から始まり、当時の日本の経済状態やら停滞感やらの話につながる。自立というのは経済的自立だけじゃなくて、既存のシステムに依存しているだけの人間はこれから生きていけないですよ、という意味。

 

もう17年も前の本なのに、まるで現代の話をしているみたい。日本は止まっているのかもしれないけど、自分は前に進まないと、ですね。

 

 

75の整理術(苫米地英人、2014)

75の整理術

問 「なんだか部屋がスッキリしない」と感じる。

1.当てはまる
2.当てはまらない
3.どちらでもない

 

1を選んだ人は、この本を読んでみましょう。物の量とか配置とかを考える前の、もっと根本的な問題が見えます!

 

と、苫米地さんの本を熱くプッシュすると怪しげに見えるかもしれないけど、この本はとても合理的で分かりやすい本だと思う。「言われてみればそうだなぁ」といった感じ。

 

端的にいうと
「自分の役割(目標)をしっかり決めて、それに合った空間作りをしよう」
という話。


この本で使われている表現で言えば、「気を整える」ということですね。

 

「片付かない」という感覚は、モノがごちゃごちゃしてたり動線が悪かったりするとモヤモヤと消えずに残る。傍から見たら片付いていても、本人はスッキリしないと思ってたりするから不思議だ。

 

わたしはこれまでなかなかの断捨離を遂行してきたんだけど、それでも「これって捨てるべき?」と決められない物は残ってるし、なんだか生活しづらいなぁという思いが、ちりも積もれば山となる状態になっている。

 

それって、モノの存在に振り回されていたからなんですね!

 

例えば、とにかくバリバリ仕事をして稼ぎまくりたい!と思ってるにとっては、家は「きちんと休む場所」になるかもしれない。そしたら、あまり使わないキッチン用品やダイエット器具は要らない。
その代わり、マットレスや枕を良いものにしたり、掃除機をロボット掃除機に替えたり…休むために必要な投資がはっきり見えてくる。

 

わたしもこの本を読んでから「自炊すべきか問題」にケリを付けて、最近ほとんど使ってなかった調味料やら何やらを片付けてみました。超スッキリ…!

 

苫米地さんの言うように大きな目標を設定するのもいいし、とりあえず家に求める役割だけ設定してみるのもいいと思う。スッキリしますよー!

まんがでわかる 伝え方が9割(佐々木圭一、2017)

まんがでわかる 伝え方が9割

 

もはや親本は必要ないんじゃないですかね。

 

ってくらい、分かりやすい。そして単純にマンガとして面白かった。

 

著者の佐々木さんは、コピーライターという仕事をしているにも関わらず、普通の人よりも伝え方が下手なことに悩んでいたらしい。誰がどんな仕事に就くか分かったもんじゃないですね(笑)

「伝え方が9割」は、そんな佐々木さんが仕事で生き残るために体系化したコトバの作り方をまとめたもの。十数年かけただけあって、ほんとに無駄がなくて応用しやすい! 

 

ただでさえ分かりやすい本をマンガにしたんだから、それはもうこれ以上ないくらいに分かりやすい!

仕事だけじゃなくて恋人との関係も描かれていて、「伝え方をマスターすれば、人間関係かなり楽になりそう」とイメージが湧きやすかった。

 

正直、目新しいテクニックを教えている本ではなくて、「言われてみれば」ってことが多い。話がうまく進んでいるときは自然にやっていることばかり。

でも、うまくコミュニケーションをとれない!と思うときは、無意識に逆のことをしているということ。ここで「はっ!」と気付いて修正をかけられるようになる効果はかなりデカい。

 

思ってることをベラベラ話しがちな私のような人間は必読です。コミュ障ならぬコミュ上手を目指しましょー!

 

 

ぼぎわんが、来る(澤村伊智、2015)

ぼぎわんが、来る (角川ebook)

 

家に入るのも窓を開けるのもお風呂に入るのもお風呂から出るのもトイレに入るのもトイレから出るのも電気を消すのも、全部怖い!!

 

久々に「こえーよ!」と顔が歪んだホラー小説でした。

 

幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは妻と自分しか知るはずのない、生誕を目前にした娘の名前であった。後輩は原因不明の大怪我を負い、みるみる憔悴していく。その後も秀樹には不審な電話やメールが相次ぐ。これは、亡き祖父が恐れていた「ぼぎわん」という化け物の仕業なのだろうか?

 

第22回日本ホラー小説大賞受賞作品なだけあります。姉に勧められたんだけど、「幽霊でもサイコでもなくて化け物?ほんとに怖いのそれ?」と、若干斜に構えていました。ごめんなさい。

気味が悪くて余韻があって日常生活でもビクビクしちゃうという、「良いホラー」の条件を完全に満たしてますね! 謎解き要素ありちょっとファンタジー要素ありで、リアリティ重視派の私は今まであまり読んだことのない雰囲気だったけど、面白かった〜。

 

ネタバレになるんであまり書けないけど、子どもを取り巻く社会の歪みも絡んでいて、そこで重みが増していると思う。いつの時代も犠牲になるのは弱者、子ども。

著者が社会問題のメタファーとして描いたのかどうかは分からないけど、子どもを守るってどういうことだろうとちょっと考えさせられた。

 

「ぼぎわん」の姿は読む人によって結構ちがいが出そう。これは絶対に実写化しないでほしいなー!

全思考(北野武、2007)

全思考

読み終えたくない

 

そう思える本にはなかなか出会えない。そういう本に出会えたときは、えも言われぬ心地よさを感じる。

 

ここ数週間、本当に精神的にゴタゴタして、心身共にかなり消耗した。まぁ、30年も生きていればもうパターンは決まっていまして…いい加減何とかしなさいと自分でも思うんだけど(笑)

オトナは本心を言わないものと分かっていながら、やっぱり本心を教えてほしくなっちゃう。理由は分からないけど、正直であることは私の中でかなり重要なんです。

 

ずーっと北野武の話を聞いていたいなぁと思うのは、なぜか、彼は正直に話していると信じられるから。

 

本だから、格好つけてあることないこと勝手に書けることは分かる。芸能人なんてそもそも虚構の中で生きてるわけだし、たけしほどの大物なら言えないことも死ぬほどあるだろう。

それでも、この人はできるだけ正直に生きているだろうって安心感がある。実際に会ったことも話したことも勿論ないのに、何だこの確信は…!(笑)

 

正直であることは、相手のカードが何なのかに関係なく、自分のカードを晒すことだ。物凄く勇気がいることだけど、勝手といえば勝手かもしれない。

たけしは、自分のカードを晒したままそこに佇んでいるからカッコイイ。私は、私の見せたんだからそっちのも見せてよ、と言ってしまうところがダサすぎる(笑)

 

いやはや、本気のオトナってのは存在するだけでカッコイイんだよなぁ。