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ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

自分の時間を取り戻そう(ちきりん、2016)

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

ある日の24時近く、酒とタバコのにおいが充満した電車の中。ひとり素面のわたしは、この本に対するAmazonレビューを流し読みしながら首を傾げていた。

 

ちきりんって結構アンチ多いのかなぁ。それともそんなに内容が薄いんだろうか…

 

まぁでもとりあえずちきりんなので、ということでポチったわけだけど、好き嫌いが別れる理由はよーく分かった。組織に(思考も体も)縛られている人からしてみれば、「こんなの実現不可能」と感じるのも無理はない。

 

前提となるのは“高生産化社会”だ。第1章で結構な分量を割いて説明されているし、ここをスルーしてただのハウツー本として読むのはあまり意味がない気がする。

 

生産性とは「時間やお金など有限で貴重な資源」と「手に入れたいもの=成果」の比率のことです。後で詳しく書きますが、ここでは「希少資源がどの程度、有効活用されているかという度合い」だと考えてください。

 

つまり、生産性が高い状態というのは、より少ない希少資源で欲しいものを手に入れられる状態や、同じ希少資源の投資量でより大きな成果を得られる状態のこと。「手に入れたいもの」は人によって違うから、効率の良さとはちょっと意味が違う。

UberAirbnbの台頭に代表されるように、世の中は急激に「高生産化」に向かっている。(日本はともかく)これからの世界では生産性の低いものは淘汰されていく。ということで、

 

大半の人が働かなくてもいいくらい生産性の高い社会が実現するかもしれない今、私たちにはなにが求められるのか?

 

が本書のテーマだ。会社であれば生き残るために生産性を高める必要があるのは当然だろうし、個人レベルでも、生産性の低い生き方では時間に追われてばかりになってしまい、寿命100年時代を生き抜くには苦しすぎる。社会の流れと同じように、個々人の生産性を高めることが大切、というわけだ。

 

正直な話、自分にとって何が大事なのか、自分の希少資源を何に投資したいのかを考えていない人には、あまりピンとこない本かもしれない^^;

漠然と「時間が欲しいなあ」くらいで読んでも、“そんなに深い悩みでもないのに友達が熱心にアドバイスをくれている”ときの違和感に近いものを感じるんじゃないかと思う。時間やお金を資産とみなしてうまく運用しようっていう話だから、思いのほか大きな思考の転換を求められていると思う。投資家感覚の重要性は同じくマッキンゼー出身の瀧本さんも強調しているから、これからますます求められるんだろうなぁ。

 

「上から目線」「できないから困ってる」みたいなレビューをしている人と、明日からちょっとでも取り入れてみようと思う人。どっちになるかは自己責任。私はもっと生産性を高められるように頑張ります!

 

 

人生を変えるドラッカー(吉田麻子、2016)

人生を変えるドラッカー

先日、ダイヤモンド社のセミナールームで開催された読書会に参加した。

個人で主催している読書会なんだけど、著者やゲストを読んだりして、毎回かなり価値の高い会を開いているらしい。すごいな〜! やりたいと思ったら、あとは実際にやるかやらないか選択するだけ。人生は選択で出来ている。

 

ということで、

 

ドラッカー 読まない選択 ありえない

 

いや〜今まで何をそんなに意地張っていたんですかね?! 世界で読まれている本なんだから、やっぱりそれなりの理由があるんですよ!「もしドラ」の表紙が売れ線ってだけで手に取ることすら拒んできたこの器の小ささ!わたしのバカ!

 

とまぁこんな感じで、往復ビンタを喰らって目が覚めたくらいに、ドラッカーのエッセンスを素直に伝えてくれる良い本でした。ドラッカー自体を読んだことないから実際のところはよく分かんないけどね(おい)

 

ドラッカーはもっとゴリゴリのビジネス書というかハウツー本なんだと思ってたけど、働くっていうこと、組織や社会の一員になることの本質を教えてくれてるんだなぁと知ることができた。

 

最近ミッションやらビジョンやら、日本人にはあまり馴染みのない言葉を使う会社が多いのも、ドラッカーの言う「成果」がベースになっているんだと思う。

何も考えずに言われたことだけやるという従来の仕事とは、全く別次元の話。個人として組織にどう貢献すれば成果が上がるのかを考えて、周りと協力して行動するということ。「貢献」は充実感や達成感につながる大事なキーワードなんだと分かった。

 

登場人物の成長や挫折を見ながら、7つの習慣アドラードラッカーがどんどん結び付いて、目の前のモヤモヤがぱーっと晴れていく感覚だった。

組織に貢献することは、個人を押し殺すことじゃない。もっと早くドラッカーを読んでいれば、こんなに仕事嫌いにならなかっただろうなぁ(笑)

 

翔んで埼玉(魔夜峰央、2016)

翔んで埼玉

2017年の読み初め。

 

まさか、この漫画から1年の読書が始まるとは…笑

 

年の瀬のある日、姉夫婦が突然この漫画を猛プッシュしてきたこの漫画。普段から漫画はほとんど読まない私ですが、そんなに面白いというならちょっと読んでみようか…ということで、Kindleで買って、そのまま忘れていました。

 

この漫画は、はなわの「埼玉県」に代表(?)されるように何故かネタにされやすい埼玉県を盛大にイジり倒している。埼玉県民は自由に東京都に入ることが許されず、都内に住む埼玉出身者は苛烈な差別に苦しめられている、という設定茨城県は更にひどい)。

それだけじゃ大して面白くないだろう、と姉の力説を聞きながら思っていたけど、意外にきちんとしたストーリーがあった。

 

東京都民の中でも超上流階級に属する百美は、とても埼玉県民とは思えない麗しの男子・麗に反発するうち、図らずも恋をしてしまう。埋められない身分の差に悩み続ける百美だが、埼玉の解放運動を始めた麗に協力する決意を固める。

 

麗のためにこっそり埼玉に乗り込んだ百美がいじらしい…!どうなる百美!

と、いつの間にか入り込んでいたという…そして、不覚にも2017年の1冊目になってしまいました(笑)

 

ちなみに、これは30年前の復刻漫画だ。マツコ・デラックスの番組から火が付いて、55万部の大ヒットを記録したらしい。

55万部!「翔んで埼玉」がバカ売れした理由 | メディア業界 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

個人的には続編を読みたいところだけど、作者がもう埼玉に住んでいないので描かないとのこと。仕方ないから、百美の幸せと埼玉の解放を願うとしますか。

The Intern(Nancy Meyers, 2015)

マイ・インターン [DVD]

明けましておめでとうございます! 2017年のお正月、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。わたしは「元日くらいはゆっくりしよう」ということで、超久々に映画鑑賞を選択しました。

 

急成長中のアパレル会社の社長を務めるジュールズ(Anne Hathaway)は、激務に追われながらも、家事を担当してくれる夫とかわいい娘を大事にしながら全力で日々を過ごしていた。
ある日、会社が募集していたシニアインターンとしてベン(Robert De Niro)がジュールズの直属の部下になる。始めはベンに何の期待もしていなかったジュールズだが、彼の気遣いや優しさに触れ、次第に心を開き始める。
そんな折、ジュールズに私生活と仕事の両面で大問題が勃発。周囲になかなか本心を明かせないジュールズは、唯一本音を話せるベンから勇気をもらい…

 

2016年に私の心に刺さった棘を優しく抜いてくれるような、優しい映画でした。終始優しい。ベンのおっきい優しさとジュールズの一生懸命さが合わさって、単純に幸せになれる。

 

安心して本音を語れる相手、というのは超貴重な存在だと思う。

精神的に大変なときというのは大抵の場合「変化を起こそうとしているとき」なわけで、そして、変化には大きな決断がつきものだ。どうすればいいんだろうと迷っているときに「きみの幸せになれる道を選べ」と支えてくれる人がいたら、どんなに心強くて助かるだろう。弱音を吐いても涙を見せても、大丈夫だって言ってくれる存在。…うーん、さすがに同年代にこの器の大きさを求めるのは無理か(笑)

 

もちろん、ベンだけじゃなくてジュールズの魅力も十分にある。気が強くてちょっと自分勝手で、でも情熱があって「ありがとう」「ごめんなさい」を素直に言える。愛する家族と会社を両方ともあきらめたくない!というパワーがあるからこそ、ベンもジュールズを心から応援できるんだと思う。
わたしも気が強いし誰とでもうまくやっていけるタイプじゃないから、せめて素直でいることくらいは心掛けないとなぁ(´ω`;)

 

2017年、わたしも心優しい人たちに囲まれていることだし、過去は振り返らずに淡々と前進しますか~。

 

GRIT やり抜く力(Angela Duckworth, 2016)

やり抜く力

 

Kindleを静かにデスクの上に置き、右手で頬杖をついた。深く漏れる溜息。初めから終わりまで凹みっぱなしだった。

 

ここまで凹まされた本は生まれて初めて…見て見ぬふりをしてきた事実を、これでもかー!!このやろー!!とゴリゴリに突き付けられてしまった。

 

何かをやり抜いたこと、これまでの人生で一度もないなぁ

 

何でもそこそこのレベルまでいくと「やーめた」と放り出し、別の興味に移ってはまた放り出す。器用貧乏とはよく言ったもので、全てが趣味レベルで止まっている。これは自信あります!と本気で胸を張れることは…何かあるかな…

 

最高のパフォーマンスは、無数の小さなスキルや行動を積み重ねた結果として生み出される。それは本人が意識的に習得する数々のスキルや、試行錯誤するなかで見出した方法などが、周到な訓練によって叩き込まれ、習慣となり、やがて一体化したものなのだ。

 

そう、全ての結果は習慣が生み出すんですよねぇ。

そして、習慣をつくりやり抜くには、情熱粘り強さが必要とのこと。

何を隠そう、この本を読む前に偶然にも、「わたしに足りないのは情熱なんだよね」という話を友人にしていたのです。初っ端から条件満たしてないという衝撃(笑) そして、何が何でもやり抜きたい!という気持ちがないために、少しでも失敗すると「向いてないんだわ」と言い訳しながら諦める。粘り強さのカケラもない。

 

でも、よくよく考えてみれば、失敗するまでは結構な勢いで楽しくやっているのだ。「向いてない」というのは、「失敗するのが怖いからこれ以上進みたくない」という情けなさから目を逸らすための嘘に違いないのである。アドラーが言うところの「人生の嘘」である。

 

自分のコンフォートゾーンに留まれば、失敗することも傷付くこともない。その退屈な安心感を守るために、自分の情熱に水をかけて、今以上を望んでいないふりをしてきたわけだ。その結果が、全てが中途半端の器用貧乏というわけだ。

 

今まで何度、自分の情熱を裏切ってきたんだろう。

 

塾講師をやっていた頃、生徒から学校教師の話を聞くたびに、幾度となく腹を立てた。彼らはほとんどの場合ドリームキラーだったからだ。何人もの生徒に、「奴らの言うことに振り回されるな」と言い続けた。でも、わたしの中の「教師」は、わたしの中の「純粋な子ども」の情熱を何度も捻り潰してきたのだ。

 

自分が本当に好きなことに打ち込むの。でも、好きになるだけじゃだめなのよ。愛し続けないとね。

 

これは、著者が学生に向けて話した言葉だ。

自分の中の情熱から、「これをやり抜きたいんだ」と叫んでいるその子から、目を逸らさないこと。子どもを大人の圧力から守るかのように、自分の情熱を守ること。挫けそうになった子どもを 励ますかのように、自分自身を励ますこと。

 

わたしの中の「子ども」の情熱を認めて、もう一度ちゃんと育ててあげよう。

この本に出てくる素晴らしい子どもたちのストーリーを読みながらそんなことを考えた大人は、果たして私だけだろうか?

 

LIFE SHIFT(Lynda Gratton/Andrew Scott, 2016)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略

LIFE SHIFT、やっと読み終わりました。

リンダ本人の講演聞いたしぃと本の方は先延ばしにしてたけど、やっぱり本も読まないとダメね!情報量がパない。

 

あなたはほぼ確実に100年以上生きますよ

 

そう言われたとき、しかもそれが多くの客観的なデータから導き出された結論であるとき、あなたはどう感じるだろうか。

「今でも100歳以上の人なんてたくさんいるじゃん」くらいで、特に何も思わないだろうか。そんなわけないと疑うだろうか。怖くなるだろうか、ワクワクするだろうか。

 

どう感じるにしろ、まずは寿命100年時代がどういうものなのか、今の100歳以上のおじいちゃんおばあちゃんと何が違うのかを、しっかり把握してみた方がいい。まず、私たちは年金をもらえない可能性がかなり高い、とか。従来の3ステージの人生モデルが通用しなくなる、とか。

 

最近ではフレックス制を導入する企業は珍しくなく、週休3日制を採用する企業や副業公認の会社も出始めた。政府でさえ、副業を推進する立場を取り始めた。Daniel Pinkが言うところのフリーランスやミニ起業家も、珍しい存在ではなくなっている。要するに、働き方=生き方の選択肢が大きく広がり、社会は大きな変化の時を迎えている。

 

大半の人は、特に本や新聞を読んだりニュースを見たりしていなくても、そのことに薄々気付いていると思う。今勤めてる会社がこの先何十年も存続すると信じている人は、むしろ少数派だろう。年金制度が崩壊しかかってるのも、格差が広がっているのも、なんとなく知ってる。

それでも、「自分はこのままで大丈夫だ」と思っている。なぜか?

 

現実味をもって想像できないから

 

ではないだろうか。

でもたぶん、コトが現実味を帯び始めたときにはもう手遅れである。気付いたら、本書に登場するジミーの3.0シナリオに足を踏み入れていた…なんてことになる。

 

これからの100年ライフでは、60歳で引退なんていうのは全く現実的じゃないということが分かる。今からそこそこ貯蓄をしたとしても、70歳、80歳まで働くことはほぼ必至だ。

では、老いても若々しく充実した仕事をするには何が重要なんだろう?という話になる。この本では、その重要な要素として、3つの無形資産が挙げられている。

 

この先、「このレールに乗っていれば安心です」という道はなくなるだろう。自分の人生を自分で決めるなんて言うと、「意識高い系」だなんてバカにされたりする。でも、自分で選択できない人こそバカを見る時代はもう来ている。

 

本書では、社会学者Anthony Giddensの言葉が何回か引用されている。

 

自分の人生を自分で決めれば、リスクが避けられない。多様な選択肢に向き合わなくてはならないからだ。このとき個人に求められるのは、必要ならば過去とほぼ決別し、既存の行動パターンが指針にならない新しい行動を検討する覚悟をもつことである。

 

選択をする、選択に責任をもつという訓練をしていない日本人には厳しい時代だけど、今こそ変わる時ってことですね!

 

 

ひとを〈嫌う〉ということ(中島義道、2003)

ひとを〈嫌う〉ということ (角川文庫)

こんなに〈優しい〉本は初めて読んだ…!

 

私は小さい頃から感情を隠せない人間だった。だった、というか今もあまりできない。好きな人の前ではニッコニコだけど、イヤだなぁと思うと表情は曇るし、口数も減るし、「どうやってここから逃げようか」ばっかり考えてしまう。

 

大抵は一時的なものだけど、不快感が長期間積もり積もるか、嘘をつかれるなど決定的な何かをされると、イヤが嫌いになる。そうなると、もう関係を切るしかないとなる。

「短所ではなく長所を見ろ」とはよく言われるけど、その人自体を見たくないんだから短所も長所も関係ない。その人と関わり続けてもマイナスしかない。なぜなら自分にとってその人そのものがマイナスだから。でも憎悪とまではいかず、私の見えないところで勝手に生きてる分には問題ないんだよね。

 

ひとを嫌うということが、嫌われた当人にとってはいかに理不尽であるか、しかし嫌う者にとってはいかに当然であるか

 

そうそう。「嫌い」という感情は常に自己中心的であり、だからこそ他者嫌悪と自己嫌悪はリンクせざるを得ないのである。「周りの人たちの9割は嫌い」という(人間として終わってる)レベルまで達していた思春期の私が読んだら、きっと膝を打ちまくりだったに違いない。

 

第3章の「嫌いの原因を探る」では、嫉妬や軽蔑など色んな感情が網羅されているけど、嫌いの原因を探ること自体が一種の責任逃れであることもきちんと指摘している。人を嫌うほど自分も嫌われるというのも、当然の結果なわけです。

 

かと言って、人を嫌うということについて散々悩んできた身としては、中島氏と同じように、全てに蓋をするのはムリ!という思いもありまして。譲れる部分と譲れない部分のバランスをとっていくことが大事ってことですよね…と胸にじんわりきた。

 

いつも個人の信念を確認することより、それを滑らかに平均化して、毒を抜くことばかりに勤しんでいる。気がついてみると、いつも穏やかな宥和状態が実現されている。それはそれで価値あることですが、真に対立を直視した後の宥和ではありませんから、そこには噓がある。無理がある。思い込みがある。幻想がある。

 

さすがに最近は〈嫌い〉まで達することはほとんどなくなったけど、全く嘘のない関係というのはやっぱり難しい。大人ってほんとグレーゾーンだらけ…と、悲しくなることも多々ある。この孤独を受け入れられるようになったら、真の大人になるんだろうなぁ。