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ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

山田玲司 「非属の才能」 (光文社新書 328)

非属の才能 (光文社新書)

非属の才能 (光文社新書)

昨日買った3冊のうち1冊。「行列に並びたくない人,おめでとうございます」という帯に、「私か?」と思って買ってみた。

非属というのは、群れに属していないということ。学歴に洗脳された社会、マスメディアや広告会社に操作される消費社会、そういう意味のない「群れ」に属し甘んじることの危険性と、群れを好まない人の可能性、才能について書いてある。

著者は多くの著名人にインタビューをする仕事をしていたらしく、各界の著名人は「非属」の人が多いということで、具体例が多くて読みやすかった。魚くんとか井上雄彦とか。ただ単に非属を奨励しているだけじゃなくて、「和をもって属さず」の方法も伝授(?)されてて、ただ個性的であればよし!って感じではないのが良かった。

ただ、いろんなことに興味をもとう!とか、偏見を持たずにいろんなことに挑戦しよう!とか言ってる割に、漢字は書けなくていい、九九は必要ないなんて言葉が出てきたのが残念。それではただの「学校嫌い」の言い訳のようにも取れる。

漢字を知らないなら国語や文学の幅は狭まるし、数学をやりたいなら九九は知っていたほうが勿論良いわけだ。「学歴に洗脳されて受験の為だけにそういう勉強をするなら必要はない」(自分の興味としてなら勉強しよう)ってことなのかもしれないけど、少し言葉が足りない。

多動性障害の治療は馬鹿げてるっていうのも、言い過ぎかな…実際には、すぐに癇癪を起こしてしまうから本人も辛いっていう患者さんだっているわけだからねー。多動性障害の子は他の子と違う、せっかく非属なんだから治す必要ないって、そういう安易な結びつけはどうかな。学習障害や多動性障害は科学的に「病気」なわけだから、それはすでに個性とは別次元の話であって、ここで引き合いに出すのはおかしいんじゃないかな。まぁ生物学的レベルでの非属の話をしてるんだったら分かるけど、特にそういう感じではなかったし。

あと、東大にもバカはいるって言いまくってるけど、まぁそりゃ勿論そうだけどさ…(苦笑)って感じ。もう少し、勉強して大学に入って「純粋に」学問やってる人のことを言ってもいいんじゃないかと思う。この本では、勉強して良い大学に入った人みんなが「群れに属している」みたいなイメージになってる。少しだけそこに言及している部分はあるけど、バランスが悪すぎる。

言葉の足りない箇所、飛躍しすぎの箇所がポロポロあって、少し読みづらかった。著者にとっては、非属は才能ある人の必要十分条件なんだろうけど、実際は違うと思うな。非属は成功者の必要条件でしかない。いや,ただの結果論でしかないかもしれないなー。もう少し冷静になってもいいんじゃなかな、と思う。

広告会社やメディアの洗脳がどうのこうの、と言う割に、文章の大事なところが太字なのも気にかかった。ま、言いたい事は分かったからいいんだけど。ヒキコモリの人が読んだら、元気出るんじゃないですかね。