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ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

大崎善生 「将棋の子」 (講談社文庫)

将棋の子 (講談社文庫)

将棋の子 (講談社文庫)

真実は小説より奇なり。だっけ?

この言葉がピッタリ当てはまるノンフィクション。プロ棋士、名人を目指して「奨励会」に入門するも、挫折してしまう多くの若者の姿を描いている。著者は日本将棋連盟に入ってから「将棋世界」の編集長をしていた人間。身近で若者たちと接することができたからこそ、こんなに濃い話を書けたわけです。

私はまったく将棋に興味なくて、「羽生さんなら知ってる」くらいな感じだけど、本当に興味深い本だった。特に、著者と親交の深かった成田英二が四段への昇段に失敗し、挫折し、立ち直ろうとしている様子は、かなり細かく描写されている。
他にもたくさんの人間が登場するけど、成田を軸に描かれているので、ぶれがなくて読みやすかった。

この物語に登場する若者は皆、奨励会という修行の場で将棋に人生を翻弄されながらも、それでも将棋を愛して止まない。私にはこんなに大切なものがあるだろうか。