ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

湊かなえ 「告白」

告白

告白

昨日、9冊まとめ買いしたうちの1冊。「このミス!」で上位ランキングしていた中で、いちばん興味を惹かれたので買ってみた。

S中学校1年B組最後の日、担任の森口は生徒に辞職することを伝える。原因は、娘の愛美が学校のプールで水死していたこと。事故死として処理された事件であったが、森口は「娘は殺されたのであり、犯人はこのクラスの生徒だ」と告白する。更に、犯人への復讐は既に完了している、とも…。この事件を、そして復讐を様々な人物の視点から見ることで、次第に全貌が明らかになっていく。

登場人物の日記や独白という形で話が進んでいくパターン。その中で誤解やすれ違い、策略が次々と露わになり、それがこの作品の醍醐味になっている。

登場人物に共通して感じるのが、「身勝手さ」。みんな自分の世界だけで物事を完結させていて、独り善がりに陥っている。思春期特有の自意識過剰からくる身勝手な被害妄想、過剰な期待を子供に押し付ける身勝手な親心、正義を気取って人を傷つける幼い偽善、、、とにかく様々な身勝手さが、この事件と復讐を形作っていることが分かる。

他の登場人物が感情丸出しにしているのに対して、始終淡々と感情を押し殺している森口の語り口が不気味。読み終わったとき、ぞっとする作品。