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ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

大槻ケンヂ 「縫製人間ヌイグルマー」

縫製人間ヌイグルマー (角川文庫)

縫製人間ヌイグルマー (角川文庫)

大槻ケンヂの最新長編小説です。いちおうSF・・・なんだろうか?

12月24日、タイ・マサイ島の海に大きな光が落下した。すると、雪のような白い物体が空から降り注いできたが、それは雪ではなく綿、すなわち綿状生命体であった。マサイ島のぬいぐるみ工場でかろうじてぬいぐるみの中に潜り込んだ綿状生命体の生き残りたちであるが、ぬいぐるみの姿で世界中に輸出されて、離れ離れになってしまう。線状生命体の勇士であるドウ・マアは黄色い熊のぬいぐるみ・ブースケとして、ドウの親友であるデ・パルザは黒い熊のあみぐるみ・チャーリーとして、それぞれ日本とアメリカで時を過ごしていたが、ひょんなことから巨大企業マクドバックス社の陰謀に巻き込まれてしまう。「世界を均一にする」という恐ろしい計画を阻止するため、高円寺で壮絶な戦いが繰り広げられる!

なんというか・・・なんというか・・・とりあえず、大槻ケンヂワールドが全開の小説。まず、戦いの舞台が高円寺ってところで気が抜けちゃうし、戦ってるのが如何せんぬいぐるみとあみぐるみだし、登場する敵も強いんだけど何だか変だし・・・緊張の場面と思ったら「なんてくだらないんだ・・・」とガクっとしてしまったりして、もう全く落ち着くときがなかった。

登場人物がとりあえずみんな濃いし、人数も多いから、それだけで頭がいっぱい。戦っているから、めまぐるしく場面も主語も変わるので、決して読みやすいとはいえない。でもやっぱり、作者の言葉のセンスやスピード感は十分に感じられるので、ファンは楽しめると思う。

大量生産・大量消費の社会や、マスコミなどに流されて何も考えなくなっている人間、オリジナリティを潰そうとする権力に対する作者の強い危機感も、熱いメッセージになっている。それでいてこのユルさ・・・大槻ケンヂのさじ加減は絶妙だった。

個人的には、ハジメの逆襲が気になる。続編希望。