ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

芥川龍之介 「河童・或阿呆の一生」

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

芥川龍之介(1892年3月1日‐1927年7月24日)
東京市京橋区(現在の東京都中央区)出身。
東京帝国大学文科大学英文学科に進学後、在学中から「老年」「羅生門」「鼻」を執筆。卒業後、創作活動に専念するようになる。
1920年ごろから心身ともに衰弱し始め、1927年7月24日に自室で自殺する。(享年35歳)

高校の教科書で読んだ「羅生門」はごく初期の作品だったんだなぁ、と初めて知った。そして今回は最晩年の作品「河童・或阿呆の一生」てことで、道理で印象が違うわけだ。短く端的な表現は同じだけど。

この本に収録されているのは

・大導寺信輔の半生
・玄鶴山房
・蜃気楼
・河童
・或阿呆の一生
・歯車

の6作品。「大導寺信輔の半生」は1925年、その他の作品は1927年作なんで、芥川が本気で病んでるときの作品集。しかも全部が芥川の自伝的要素を含んでいる。特に「或阿呆の一生」と「歯車」は、名前こそ伏せてはいるものの、もろに自伝。「或阿呆の一生」の前には、芥川が友人の久米正雄宛てに書いた、「この作品をどうするかきみに託す」という旨の手記も掲載されている。

まぁ・・・とにかく苦しい。強い厭世と、そういうふうに生きるしかない自分への絶望と、そのふたつを抱えて生きることへの疲労。人並み外れて賢いのも災いしたのか、「歯車」の中ではもう完全に神経過敏に陥っていて、ほんとに痛々しい・・・

夢野や三島は長い文章でぐんぐん追い詰めていくイメージ。芥川の文章は短くて軽いんだけど、知らない間にダメージが蓄積してるタイプ。さらには自殺する直前の人の自伝的作品というだけあって、突然のストレートパンチもあり、最終的にはかなりキツい。
本気で病んでる人は読まない方がいいと思うww