読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

湊かなえ 「贖罪」

贖罪 (双葉文庫)

贖罪 (双葉文庫)

お盆休み5連休の2日目。給料日前でお金がないうえに、給料入ってからは予定が入っているので、せっかくの連休なのに何もできない・・・
ということで、ここぞとばかりに本を読む。姉が売る予定の本たちから、めぼしいのを5,6冊引っ張り出してきた。


第一弾は、湊かなえ「贖罪」

最近ほんとに暗いのしか読んでないなぁww


私の湊かなえ歴は、デビュー作の「告白」で止まっていた。
「告白」自体はかなり好き、というか久々にショックを受けた作品だったんだけど、そのあと速いペースで何冊か出していたんで、なんとなく手を出せずにいた。「良い作品てそんなにポンポン出るか?」と。疑り深い性格なので・・・その不安が今回は的中。自分で買わなくて良かったな、と思った(セコイ)


空気のきれいな田舎町。大企業の工場が建てられ、東京から来た人たちが混ざり、それまでとはなんとなく空気が変わり始めていた。
お盆休みのある日、東京からの転校生であったエミリが、男から性的暴行を受けて殺される。現場は小学校のプールの更衣室。その日エミリと一緒に遊んでいた紗英・真紀・晶子・由佳は犯人と言葉を交わしていたが、なぜか顔を覚えておらず、事件は迷宮入りする。
事件から3年たったある日、4人はエミリの母親に呼び出され、ある言葉を言い渡される。


あらすじはこんな感じだけど、実際は紗英・真紀・晶子・由佳、そしてエミリの母親の手記(?)という形で、それぞれの視点から事件や事件後の人生について語られている。「告白」の形式と同じ。

なんというか、エンターテイメント性をもっと突き詰めてほしかった。尻すぼみ感がすごい。
紗英・真紀・晶子くらいまではジトっとした迫力があったのに、由佳あたりから迫力が薄れ始め、母親の手記はもう中途半端なヒューマンドラマみたいになってる。エンターテイメントなのかヒューマンドラマなのか、どっちつかずな空気にテンションが下がってしまった。
そもそも何故エミリが性的暴行を受けて殺されたのか、ってことも回収されてない。紗英のトラウマをつくる為なのは分かるけど、そりゃないよって感じ。締切に追われて急いで仕上げたのかなぁ・・・


まぁ、私は「突き詰めて」欲求が強いからガッカリしちゃったけど、人物描写は相変わらず秀逸。
「告白」でも、現代の親に対する批判みたいな部分があったけど、今回もそこはグイグイ攻めてきます。何か理由があるのかなww
都会人を受け入れない田舎の閉塞感、同級生に対する羨望・嫉妬、心に傷を負った少女たちの罪悪感。人間の黒い部分に底はない。