読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

原田宗典 「はらだしき村」(2003)

 

はらだしき村 (集英社文庫)

はらだしき村 (集英社文庫)

 

 また原田宗典。RED DRAGONは年末年始に読むことにしたんだもんね。逃げてるわけじゃないもんね。計画的に読書してるだけだもんね。

と軽い気持ちで読み始めたこの本だけど、躁鬱を患ってからの本だけあって今までのように軽薄(?)な雰囲気ではない。全体を包み込むような強い郷愁に、胸が何度も締め付けられる。それでも所々で笑わせてくれるあたりがやっぱり宗典おじさん、という感じ。

エッセーがうまい作家というのは、大槻ケンヂもそうだけど、人一倍感受性が強いんだと思う。きれいなものや面白いことにも敏感な分、汚いものも無視できないし、自分の悩みからも逃げられない。素敵なエッセーはそういうリスクと隣り合わせに生まれてくるんだなぁと、有難いような切ないような、何とも言えない気持ちになった。

最後には、病床に伏した父の回復を文字通り心の底から祈る著者の姿がある。あなたがお父さんを思うほど強い気持ちだという自信はないけど、ファンはあなたのことを思っていますよ!