読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

Monster (Patty Jenkins:2003)

映画/DVD

 

モンスター [DVD]

モンスター [DVD]

 

 

 まずは「Charlize Theronすごい!」の一言。そして二言目は「愛って何だろう」ですね。

娼婦のAileen(Charlize Theron)は、自殺する決心がつかないまま訪れたバーで、レズビアンのSelby(Christina Ricci)と出会う。最初こそSelbyを冷たくあしらったAileenであったがすぐに心を開き、孤独な2人はすぐに恋に落ちる。「2人でどこかに行こう」と張り切ってお金を稼いでいたAileenであったが、客のひとりから酷い暴行を受け、咄嗟に銃で殺してしまう。ひどく動揺しながらも迎えに来たAileenの姿を見て、Selbyは家を出る決心をし、2人だけの生活が始まったが―

この話は実話に基づいている。本物のAileen Wuornosの写真を見てみたら、Charlize Theronがいかに本気でこの役に打ち込んだのかがよく分かった。だって、本当にそっくりなんだもん。

Selbyと暮らす為に男を殺し続ける彼女は、やがて疲弊し、強い罪の意識に苛まれるようになっていく。それでも愛の名のもとに、強迫観念的にまた罪を犯す。どんどん崩壊していく彼女を見ていると、「どうしてこんなことに」と心の底から思ってしまう。

冒頭で彼女が「夢を見ている」と言っていたとおり、AileenはSelbyとの生活に夢を見ていた。男に見下され蔑まれ続けてきた彼女は、自分を汚すことなく必要としてくれるSelbyに救いを求めた。だからこそ、この夢から目を覚ましたくないという一心で、Selbyの勝手な言い分にも従ったんだろう。
彼女のSelbyに対する思いは、果たして愛と呼べるんだろうか・・・という疑問を抱いた次の瞬間、じゃぁ愛って何だろうという疑問が浮かぶ。食欲や性欲のように、愛を感じることが本能だとすれば、彼女は必死にそれを得ようとしただけだ。人生の中で感じたことのない愛にすがってしまっただけだ。確かに方法は間違っていたけど、愚かだねの一言で終わらせることはとても出来ない。

この映画でよく出てくる言葉は愛と夢だけど、印象に残ったのは「選択」だ。
AileenはSelbyとの生活を守るため、一度はやめると決意した売春を再開してしまう。男に対する嫌悪感から客を殺してしまうが、止められない。彼女は選択を誤り続け、自分を追い詰め、そして自滅する。
「環境のせい」とは思うし、彼女の人生で何かひとつでも違っていたら、とも思う。でも、だからこそどうして環境を選ばなかったのかと思う。それすら愛への強い渇望のせいなんだとしたら、やっぱり生きてきた環境で全てが決まってしまうんだろうか。

と、疲れた頭で色んな考えがグルグルするほどに考えさせられる映画だった。