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ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

恋の罪(園子温:2011)

映画/DVD

 

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 夜中にスコッチ飲みながら映画を観るのが習慣になりそうでマズイ。良くないことと知っててもやめられないことってあるんだよなぁ。そして「何が悪いんだよ!」と開き直ってしまうともうどうしようもない。いや、私は開き直るつもりないけど、世の中にはそうやって泥沼に嵌っていく人もいるわけで・・・

という気分にピッタリの映画を、深夜にスコッチ飲みながら観た。冷たい熱帯魚地獄でなぜ悪いに続いて3作目の園子温。相変わらず、地獄を突き抜けた人間を描くのがお上手ですね笑

刑事であり妻であり1児の母親でもある和子(水野美紀)がホテルで不倫相手と密会している最中に、事件発生との連絡が入る。現場は円山町の片隅にある廃墟。赤いストリップ姿のマネキンとセーラー服姿のマネキンそれぞれに、切断された女性の体が接合されていた。そして壁には「城」の文字が残されていた。
一方、いずみ(神楽坂恵)は小説家の夫(津田寛治)に甲斐甲斐しく尽くす日々を送っていたが、変化を求めてパートを始める。ある日パート先で「モデルをやってみないか」と声をかけられ、いずみは応じることを決める―

監督は、1997年に発生した東電OL殺人事件にインスパイアされてこの映画を作製したそう。この作品では、一流大学の助教授である美津子を、冨樫真さんが鬼気迫る演技で描き出している。

劇中に登場する「帰途」という詩と絡まって、「言葉には身体がある」という美津子の言葉が印象的だった。
彼女は、「愛のないセックスには金を介在させる」と言って夜な夜な売春をしながら、愛する父から与えられた「城」という言葉の身体を探して彷徨っていた。「城」なんて言葉を知らなければ、彼女はこんな道に足を踏み入れなかったのかもしれない。
売春という手段の善し悪しは別にして、「自分のやり方はこうだ」と決め込んだ人間は凄まじいと思わされる。

言葉を知っただけで何でも知った気になれる時代。言葉の身体を見つけてみたくなるのも分かる。いや、売春はしないけどね。