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ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

エス(鈴木光司:2013)

 

エス: 5 (角川ホラー文庫)

エス: 5 (角川ホラー文庫)

 

 久々のホラー小説。先月リングとらせんを見直してからというもの、小説を読みたいという欲求がウズウズしていたのである。
映画は好きで数回観ているけど、実は小説は「ループ」しか読んでない気がする。しかも、読んだのが遠い昔すぎて「結構SFだったような…?」ぐらいの記憶しかないうえに、本自体が我が家のブック・ジャングルの中に消えてしまった。こりゃもう新たに買うっきゃないな文庫安いしいいじゃんと思って近所の本屋に行ったら、リング、らせん、ループ、バースデイが売ってない…ということで、貞子シリーズ(?)第2章が幕を開ける本作品を買った。

5月19日、連続少女誘拐殺人事件の犯人として死刑囚となった柏田誠二に、絞首刑が執行された。それから約1ヶ月後。映画製作会社に勤める安藤孝則は、恋人である丸山茜のおめでたに素直に喜びつつ、上司から「分析してほしい」と渡された動画を確認する。その動画は、約1ヶ月前に突然ネットにアップされすぐに削除されたもので、男がマンションの一室で首を吊り息絶えるまでの生々しい光景が撮影されていた…

小説を読んでなくても、らせんを観た人であれば「安藤」という名字にピンとくるはず。まさしく「らせん、その後」といった内容で若干のSF要素を交えながらも、かなり不気味に仕上がっている。途中から漠然とした恐怖が襲ってきて、昨晩は神経が張り詰めて3時間しか寝れなかった。だって怖いんだもん。

作中で孝則が言うように、物体として存在しているものなら、究極的には消してしまえば済むのである。しかし、物体として存在しないものは消せない。どう対処していいか分からない。裏を返せば、自分では対処できないものが恐怖の対象になるとも言える。だから、幽霊は怖いし、頭のおかしい人は怖い。

この作品自体は、結構モヤっとしたまま終わる。続編の「タイド」に繋がるからだろう。さらにSFになるのかホラーになるのか、どちらなんでしょう。