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ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

エッジ(鈴木光司:2008)

 

エッジ 上 (角川ホラー文庫)

エッジ 上 (角川ホラー文庫)

 

 

エッジ 下 (角川ホラー文庫)
 

 最近また退屈してきている。何か劇的なことないかな~と思い始めたこの本、展開が劇的過ぎる。「この登場人物たちは退屈しないんだろうな~いいな~」とか思ってるあたりがヒトとしてまずい。

主人公の冴子は、離婚後フリーライターとしての道を歩み始めていた。綿密な取材で高評価を得た冴子は、長野県伊那市高遠で起こった一家四人失踪事件の取材を引き受ける。高校時代に最愛の父が突然失踪し心に深い傷を負っている冴子は、父から教え込まれた知識と思考力を駆使し、忽然と姿を消した4人の身に何が起こったのかを調べ始める。親しい人たちの協力も得ながら調査を進めると、日本各地で突然の失踪が頻発していることが分かり、さらにはその失踪場所に共通点があることが分かった…

物理の知識をある程度もっている人であれば、上巻の段階でどういう展開になるのか予測できるはず。でも、こういう壮大なSFホラーを読んだことが無かったから、いつもと違うドキドキ感を味わえて面白かった。

解説にも書いてあるとおり、あまり日本人が好むタイプの小説ではないと思う。日本で売れるミステリーってのは、東野圭吾とか宮部みゆきとか、話自体の難易度は低く人間関係や感情に焦点を合わせたものが多いからだ。いわゆる「共感」や「感動」を求めるタイプの読者は、この作品では満足できないかもしれない。あと、「何言ってるんだか全然わからなくて面白くない」という評価をちらほら見るけど、それは読んでる人の頭が作品についていけてないだけ。受動的な読者のための本ではない。ということで、読む人を選ぶ小説ではある。

序盤こそそれなりに登場人物たちの話も出てくるけど、後半はほとんど謎解きで科学的な色がかなり濃くなる。日本地図を見たり物理法則を調べてみたり、世界各地の遺跡や大規模な失踪事件を調べてみると、冴子たちが遭遇する事件が身近に感じられる。かなりスケールの大きい話だけど、有り得ない話じゃないよなぁ、自分はどうするんだろうと考えてしまう。話が発散してる感は否めないにしても、人間に重点を置かなければ(笑)十分に満足できる作品だと思う。

他にも面白い科学ミステリー読みたいなぁ。