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ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

チャイルド44下巻(Tom Rob Smith:2008)

 

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

 

 うーん、久々にドンとくる小説だった。

レオは全国で子供たちを殺し続ける殺人鬼を、執念で追い始める。殺人鬼の存在を認めることは国の方針が誤っていることを指摘することになるため、レオの行動には重大な危険が伴う。それは同時に、レオに協力すれば厳しく処罰されることを意味する。しかし、子どもたちが惨殺されるという事実を前に、周囲の人々は危険を冒してレオに協力する。人々の助けを得たレオは、生き残って殺人鬼の正体を暴くことができるのか―


自分の正義に従って行動できないということがどれだけ人間を苦しめるのか、人の行動や思想を押さえ付けることがどれだけ残酷で卑しいことなのか、レオの命が危険に曝される度に痛感した。そして、現実に独裁国家の圧力に対抗している人達がどれだけの危険を冒しているのか、どれだけの強さをもって行動しているのかが垣間見えて、もはや畏敬の念を感じずにはいられなかった。

この作品の凄いところは、ソヴィエト連邦という国の内情とミステリーとをしっかりと融合させているところ。連続惨殺事件の真相に迫るという面でも少しも無駄なところが無く、本当によく作り込まれている。

他の作品も読むしかないなぁ。もう本をしまう場所が無いのに。