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ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

皇帝フリードリッヒ二世の生涯(塩野七生、2013)

皇帝フリードリッヒ二世の生涯 下

いやー遂に終わってしまった。”STVPOR MVNDI”(世界の驚異)と称されたフリードリッヒ二世、ほんとに驚異的としか言い様がないくらいの見事なリーダーシップを見せてくれた。

皇帝が統治する中央集権の法治国家を目指した皇帝は、「神のものは神に、皇帝のものは皇帝に」というキリストの言葉に忠実に行動していた。その一方、グレゴリウス九世(異端裁判所を創立)、インノケンティウス四世(フリードリッヒを異端であると断罪する)と続いて、法王は執拗にフリードリッヒを失脚させようと目論む。
この時代に政教分離という考えがなかったにしても、法王はキリストの言葉を無視して「法王は太陽で、皇帝は月」だなんて言って、フリードリッヒを殺そうとする。思い上がりも甚だしい、というか人殺しは許されるわけ?キリストは「異教徒と異端は殺しなさい」って言ったの?言ったとしたらクズじゃないの?笑

現代もそうだけど、宗教なんてのは結局、その指導者である人間が自分の都合に合わせてどうにでもできる。「神のお告げ」と言って人を殺すなら、カルト集団と大して変わらない。
ちなみに、悪名高き異端裁判所は現在は「教理聖庁」と名を変えて、聖職者だけを対象に存続しているらしい。世俗の人が裁かれなくなっただけマシだけど、正しい信仰・間違った信仰っていう考え方がそもそも分からない。キリストの言うこと信じてればいいんじゃないの?正しいか間違いかの判断を人間がする時点で、もはやそこに神は必要ないのでは?

という感じで、フリードリッヒの邪魔をする法王派にイライラし続け、一神教への不快感が凄まじいことになった笑。それと同時に、どんなに辛い目に遭ってもぶちキレちゃっても突き進んでいくフリードリッヒには感嘆しっぱなしだった。こんなイイ男だったら、それはモテますよね。愛人もその子どももきちんと面倒見てくれるんだったら、それは愛人でもいいと思いますよね。行動力、判断力、精力すべてにおいて、本当に規格外。塩野さんも完全にフリードリッヒ贔屓だよなぁと思うけど、女なら仕方ない。だってイイ男だもん。

歴史小説?をちゃんと読んだのは初めてだったけど、一気に色々と勉強できてかなり楽しかった。塩野さんの著作はもっと読んでみようと思う。