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ミニマリズムと読書ときどき映画と音楽。

ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

天才!成功する人々の法則(Malcom Gradwell, 2009)

天才!  成功する人々の法則

世間から天才と称賛される成功者たちは、いったいどうやって成功したんだろう。やっぱり生まれながらにして凄い才能があるんだろうなぁ。しかもすごく努力してきたんだろうなぁ。
という思考停止に一石を投じる本。ほんとに個人的資質と努力だけが要因なの?外的要因は関係ないの?と、成功者の背景に焦点を当てている。ありそうでなかった斬新な視点で面白かった!

結論としては、「成功者はとにかく好機に恵まれている」ということ。科学書ではないので厳密な検証はされていないけど、データを分析すると偶然とは思えないような共通点が見つかる。
成功者の具体例として挙げられているのがBill Gatesだが、彼自身「運が良かった」と言っているらしい。コンピューターが爆発的に普及する前に、彼は膨大な時間をコンピューターに費やしていた。コンピューターに触れられる数少ない環境にいたこと、それだけ没頭できる時間があったこと。彼に素質があったとしても、外的影響の大きさは無視できないだろう。

対照的に、まさしく「天才」でありながら成功者にはなれなかったのがChris Langanだ。IQ195という驚異的な知能をもち、自ら学ぶことを望んだにも関わらず、彼は成功する‘術’を身に付けることができなかった。幼少期の彼は、酔っ払っては暴力を振るう義父に支配され、極貧生活を強いられていたのだった。

この2人の例だけだと“Outlier”すぎるけど、小中学校の同級生を思い浮かべてみると、育った環境で既に差がついていたように思う。教育熱心な親に育てられた子は程度の差こそあれ社会生活の術を学んでいくけど、虐待や放任の家庭の子は不良になってドロップアウトのパターンが圧倒的に多い。もはや知能云々のレベルに至る前に、成功者になる機会を奪われている。

じゃぁ機会が無いと成功できないのか、というと、ある程度は機会の有無という呪縛から脱することができる。例として挙げられているのは大韓航空だが、訓練を積むことによって「文化」という強力な呪縛から脱している。時代や肌の色となると自分でコントロールしにくいけど、文化や家庭環境なら何とかなりそうじゃない?そのためには、自分のバックグラウンドを把握することが大事だ。

しかし、子どもたちには大人が平等に機会を与えるべきなのは確かだ。そういう世界になることを心から願う。