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ミニマリスト見習いのアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

投資は「きれいごと」で成功する(新井和宏、2015)

投資は「きれいごと」で成功する――「あたたかい金融」で日本一をとった鎌倉投信の非常識な投資のルール

この本読んでる途中に鼻血が出た。というのは2年ぶりくらいに風邪を引いて熱が出てるせいだけど、何はともあれ良い本だった。もうきれいごと過ぎて困っちゃう。

著者は、10兆円(何だその額)規模の資金を運用していた経験もある超凄腕ファンドマネジャーだ。最先端の投資理論や数式を駆使し、数字だけを見て莫大なお金を動かす。やはり物凄ーくストレスがかかったらしく、難病にかかり退職。その後、ある1冊の本に衝撃を受け、金融に対する考え方を大きく変える。今は「鎌倉投信」という投資信託委託会社でファンドマネジャーを務める。
NHKの「プロフェッショナル」で取り上げられているのを見て、「私の知ってる投資信託と違う…」と衝撃を受けたのが、この本のきっかけ。この本では、鎌倉投信の理念と新井さんの情熱が熱く語られている。

投信なんて絶対やらないね!と言い張るロバキヨの影響もあって、投信なんて絶対やだなーと思っていた。もちろんロバキヨ以外にも色んなソースを調べたりしてるけど、やっぱり「投信は微妙だな」と思う。まず余計な手数料がかかるし、赤の他人に資産を運用してもらうなんて恐ろしすぎる。怪しげな人たちが「この箱は開けられませんけど、中には良いもの入ってるので買いましょ」とニタニタしているイメージ。しかも売ってる側の大半はその商品を買ってないっていうんだから、それを買う意味がさっぱり分からない。

鎌倉投信は直販だから、誰が運用してるのかすぐ分かる。新井さんだ。直販なんてあるのか!とまずビックリ。あとは、どの企業に投資してるのか全部公開しているし、投資額も公開している。ちなみに新井さん自身の資産も公開している。箱の中身を完全に見せた上で、「こういう理念で投資先を決めている」と胸を張って投資家に説明している。
鎌倉投信の販売する結い2101は、儲けたい人向けの投信ではない。目指すのは、受益者の資産を増やすことだけでなく、投資を通じて社会と心をも豊かにすることだ。社会に必要な会社であれば、まだ利益の出ていないベンチャーであっても融資する。でもボランティア精神で安易に融資すれば、受益者の資産が危うくなる。そのバランスを保つために、ファンドマネジャー自身があちこち動いて「本当に良い会社」を厳選する。そういう理念に賛同する投資家が鎌倉投信の結い2101を購入し、リターンがあれば金銭面でも精神面でも満足できる。すごいシステム作りましたね…と言わざるを得ない。

すごく儲かる投信ではないけど、そのぶん精神的な満足がある。金融商品と社会貢献なんていう水と油を合体させ、さらにうまく運用しているところが鎌倉投信の魅力だと思う。鎌倉投信が高く評価されているところを見ると、仕事だけじゃなく投資にも「精神的満足」が求められる時代が来るのかもしれない。

新井さんの仕事も「使命」だよなぁ。うーん、退屈しすぎて熱出して鼻血出してる私とは大違い。うーん。