ミニマリストの読書生活

ミニマリストを目指すアラサー女。最小化計画の進捗と、本・音楽・映画の感想

橋を渡る(吉田修一、2016)

橋を渡る

明けましておめでとうございます!

 

「読み初めはなんとなく選んだ本」というここ数年のルールに従って、今年も、実家に高々と積まれた母の本から1冊、なんとなく選んでみました。

 

去年は良くも悪くも追い立てられる日々が続いていて、本も実用書ばっかり読んでたんですよね。まぁ勉強になるし役立つんだけど、読書すら義務みたいになってしまって。

映画にしても音楽にしても美術にしても、現実逃避と言われればそれまでだけど、たまに現実逃避して何が悪いのか!という結論に至った。ストレス溜まって現実生活に支障が出るより良いですよねぇ。

ということで、今年は定期的に現実逃避をしていきたいと思います。ので、更新も増えるはず!

 

で、吉田修一さんの作品は全くの初めてなので、2018年1つめの初体験でした。おもしろかったー。

 名前聞いたことあるなぁと思ったら、「悪人」や「怒り」の作者さんなんですね。めっちゃ有名じゃん。どちらの作品も「落ち込みそう」という理由で、映画すら避けていました。お名前をググって作品名を見たとき、遂に対峙するときが来たか!という感じでした笑

 

「落ち込みそう」というのは、「善人が傷付く系の話なんだろうな」と察知したときに作動する防御壁みたいなものですね。だってイヤじゃん、善い人が傷付くのって。見てるとつらいけど、見て見ぬ振りもできないというか。小説はフィクションで結末も決まってるから、傍観者になるしかないってのももどかしいし(一体何がしたいんだ)。

 

今回の「橋を渡る」も、例に漏れず、なんだか善人が傷付きそうな雰囲気というか、人に平気で害を及ぼしそうな人が出てきて、うわーイヤだなーって思いながら仕方なく読み進めました(失礼極まりない)。

でもよくよく読んでると、誰かが極端に善いわけでも悪いわけでもない。そこがすごく現実的で、思いのほか淡々と登場人物のストーリーを読み進めることができた。

 

春夏秋の3つのストーリーが絶妙に絡み、どういうオチになるんだろうなぁと冬の章に入ると、かなり突拍子もない展開。唖然としながら読んでいくと、全てのストーリーが繋がり、思いもしない方向で人間の勇気と決断と良心を見せつけられることになる。不覚にも胸がカァっと熱くなった。

 

大小様々なスケールで、生命の重さを問いかけてくる作品だった。いやはや、新年早々良い読書でした!